男性ホルモンと射精

男性ホルモンとは

男性ホルモンはアンドロゲンとも呼ばれ、主に男性の体内で多く合成・分泌されるホルモンの総称です。誤解されがちですが、男性ホルモンは男性だけでなく女性の体内にも一定の割合で存在しています。その正体はテストステロンと、それが変化したジヒドロテストステロン(DHT)が主なものです。

男性ホルモンの働き

人間は生まれた時は男も女も同じような体つきをしていますが、思春期になると男性は筋肉や性器が発達したり、体毛が生えたりして男らしい体つきに変化していきます。これがいわゆる第二次性徴と呼ばれるもので、男性ホルモンが大きく関わっています。つまり体の中でテストステロンが盛んに分泌されるようになると男性としての特徴が現れてくるのです。ホルモンというのは微量できわめて大きな効果を発揮し、テストステロンが体に及ぼす効果には次のようなものがあります。

一方、テストステロンは肉体面だけでなく精神面にも大きな影響を及ぼします。

いずれも生物学的にいえばオスとして生きていくために欠かせない特性であることがわかります。もちろんヒトにとっては社会的に成功するために欠かせない要素であることはわかるでしょう。実はこれらの男性に特有の性質は男性ホルモンの影響を大きく受けているのです。

男性ホルモンが分泌されるしくみ

男性ホルモンが分泌されるためには、まず大脳の視床下部という場所からGnRH(性腺刺激ホルモン)が分泌されることが必要です。これは主に性的な興奮や身に危険が迫ったような場面で多く分泌されます。そしてこのGnRHが脳下垂体の前葉に作用してLH(黄体形成ホルモン)の分泌を促進します。さらにLHが血流に乗って精巣にあるライディッヒ細胞に作用するとテストステロンの分泌が開始されます。また5αリダクターゼという酵素の働きにより、テストステロンが代謝されて一部がDHTに変化します。そして血中のテストステロンやDHTの濃度が一定に達すると視床下部にフィードバックがかかってGnRHの分泌が抑制されます。こうやって男性ホルモンの濃度を一定に保つしくみができているのです。

テストステロンの実に95%は精巣で合成され、残りの5%が副腎で合成されます。ですから睾丸というのはペニス以上に男性が男性であるために最も重要な器官なのです。

「英雄色を好む」は本当

昔から社会的に大きな功績を残した男性は性欲が強いというようなことが言われています。上で説明した男性ホルモンの働きから、一般的にテストステロン値の高い男性は身体能力が優れ、積極的・行動的であり、頭も良くて判断力が優れているという、まさに魅力的な男性像の典型です。そのような男性は間違いなく女性に好かれ、それはオスがメスを惹きつけるために欠かせない要素であることは言うまでもないでしょう。また社会的に大きな功績を残す人というのは異性だけでなく、同性の支持や協力が得られなければ始まりませんから、ボスとしての統率力や決断力を兼ね備えているのです。一般的にテストステロン値が高いと性欲も強くなりますから、「英雄色を好む」は決してデタラメじゃないのです。また頭の良さは想像力の豊かさと言い換えることもできますから、エッチな妄想が多い人は大量に男性ホルモンが分泌されて頭の回転も良くなると考えられます。そういえば中学生の頃、学校で優等生と言われていた奴は例外なくドスケベだったのを思い出しました(笑)。

男性ホルモンが低下するとどうなるか?

男性ホルモンは思春期の頃から分泌が始まり、25歳くらいでピークに達しますが、悲しいことにその後は徐々に低下していきます。特に40代以降は低下のスピードが一段と加速するようです。ただし低下の度合いには個人差があり、70代でも30代と同等の男性ホルモン値を維持している人も少なくありません。ですからいかに男性ホルモンの低下を食い止めるかが重要なのです。

男性ホルモンが低下するとどうなるかですが、ひと言で言えば上で説明した男性ホルモンの効果と逆のことが起こります。

いずれも昔は「老化」とか「年のせい」で片付けられていたような現象ですが、最近の研究では実は男性ホルモンの低下が原因であることがわかってきています。つまり生物学的に言えば「オスとして終わっている」状態なのです(笑)。逆に言えば、男性ホルモンの低下を防ぐことができれば、これらのありがたくない問題を回避することができ、いつまでも若々しさを保てるわけです。

男性ホルモンの低下を防ぐには?

ここではあまり詳しく触れませんが、男性ホルモンの低下を防ぐには、ごく当たり前のことを実践するのみです。一つは食事であり、男性ホルモンの材料となるのはコレステロールですから、コレステロールを多く含む卵などをしっかり摂るのが大切です。コレステロールというと悪いイメージがありますが、もともと体に必要なものですから適量摂るのは問題ではありません。また亜鉛ノコギリヤシはテストステロンが代謝されてDHTに変化するのを抑制する効果があり、サプリとして摂取するのも良いかもしれません。生活面では言うまでもなく睡眠を十分にとり、ストレスを溜めないことが何より大切です。また適度に運動して筋肉に刺激を与えることは、男性ホルモンの分泌を促進します。肥満で体脂肪が多くなると男性ホルモンの分泌が抑制されるという研究結果もあるので、適度なダイエットで体脂肪率を低く保つことも必要です。

射精のしすぎは禁物!

上で述べたことは男性ホルモンに限らず、健康のためには欠かせない当たり前のことなのですが、それがなかなか実践できないのも人間の弱さです。それは頑張って実践していただくとして、ここでは「射精」がテーマですから射精が男性ホルモンに与える影響について考察したいと思います。

今までこのサイトでは生殖機能を維持するにはなるべく多く射精した方が良いようなことを奨励してきましたが、実はそれは間違いであったことが最近わかってきました。たしかに勃起や射精のような生殖機能も使わないと衰えるので、適切に射精することで機能の低下を防ぐのは間違いではありません。しかし25歳くらいまでの若い頃なら男性ホルモンが豊富にあるのでそれで問題はないのですが、中高年になってからの射精のしすぎというのは男性ホルモンの観点からすると好ましくないということを認識し始めました。

一般的に男性はセックスやマスターベーションで性的に興奮すると男性ホルモンが大量に分泌され、一時的には男性ホルモン値が高まります。しかし射精した瞬間、誰もが知っているように性欲がなくなり冷静になってしまいます。これはプロラクチンというホルモンが大量に分泌されるためで、性欲を減退させる効果を持っています。いわゆる「賢者の時間」というものですね。プロラクチンが分泌されるとテストステロンの分泌が抑制されるため、男性ホルモン値は一時的に射精前の状態より低くなってしまいます。もちろん時間が経てば元に戻るのですが、十分回復しないうちにまた射精すると男性ホルモン値はさらに低くなってしまいます。それを繰り返していると男性ホルモンの低下が加速されるわけです。一方で一週間以上射精を我慢すると男性ホルモン値が上昇することも医学的な研究により知られています。つまり男性ホルモン値を上げるには射精の頻度はなるべく減らした方が良いということなのです。ですからエロ動画などを見ながら性欲解消のためにたびたび射精する習慣は非常に良くないということに気付きました。

この射精と男性ホルモンの関係について、今後もう少し考察を加えていきたいと思います。

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